あらすじ
星海凪とその姉である星海千鶴は双子でアイドルをやっていた。そして念願叶って武道館ライブを開催できるまでになった。
しかし、そのライブの途中に姉は舞台【ステージ】の上で倒れてしまう。
救急車で病院に運ばれたが亡くなってしまった。
星海朔はそのときからアイドルを休業するが周囲の助けもあり、再びソロアイドルとしてライブを行うが歌声が出ず両足が震えて結果的にそのライブは中止となり失敗に終わる。
「俺はもうアイドルができないんだ……姉さん……ごめん……」
姉のために自分のためにふたりの夢のために決断したライブで歌えなかったことは想像以上に精神的ダメージを負ってしまう。
「歌えないアイドルなんてアイドルでいられない……アイドルなんて、言えない……よな」
歌って踊るのがアイドル。それが凪のアイドル像の大前提だった。
そんなある日、姉の親友だった明莉に呼び出されて言われた。
「来週の日曜日暇? 良かったらライブ観に行かない?」
「ライブなんて……俺は……」
「そう? 歌えないアイドル。だそうよ」
「歌えない……アイドル……やっぱり、行ってもいいですか?」
ふたりが日曜日にライブ会場に行ってみるとたしかに歌えないアイドルがいた。それでも応援してくれるファンの姿があって驚かされる。
どうしてとその場にいるファンに訊くとあの子が歌えなくてもオレらにとってはアイドルなんや!と楽しそうに語った。
そこで初めて気付かされる当たり前のことを歌うだけがアイドルの形ではない。アイドルの表現方法は歌うこと以外にもあるのだと。
あらためて凪はもう一度立ち上がる決意をする。もう一度どんな形であってもアイドルとしてステージに立ちたい、と。