あらすじ
せんせい、ぼくは――ひとを、ころしました。
家庭教師先で住之江(すみのえ)吉彰(よしあき)が教え子から聞いたそれは、罪の告白にも似ていた。折しもその頃、花菖蒲公園の池の中から、その教え子と同じ年の少女の白骨遺体が発見される。
亡霊が視える香月(こうづき)晴季(はれき)はその話を聞いて、花菖蒲公園へと足を向けた。そこには『殺された』とは考えづらい、くるくると踊っている少女の亡霊がいた。
花菖蒲公園の白骨遺体、くるくると踊る亡霊、少年の罪の告白。
そして高校の窓から覗き込む亡霊と、祖父のこと。
能楽『天鼓』の謎を紐解くうち、それは現実との奇妙な合致を見せ始める。
鳴らぬ鼓は、何故鳴った。天の鼓の、謎を解け。