あらすじ
私は、とある宗教団体の『教祖』である。本物の霊能力を持った立派な人物。
そんな私は、少しでも世の中を良くしようと『ありがたや霊水』という名の商品を販売し始めた。これを飲めば病も治り、健康を維持できるという優れもの。
しかも、お値段たったの2000円。本物の霊能者だからこそできる良心価格だ。
……だが、なぜだろう。
「ごめんなさい。教祖様の霊水で、色々と『実験』したくなっちゃって」
小学生のヨシオ少年。信者夫婦の息子である彼は、水に宿る『霊的エネルギー』に興味を持ち、あちこちで使用するという蛮行に出てしまった。
本物の霊能力。霊的パワー。飲んで健康を維持する以外の用法では、思わぬ結果を生むことに。
「トイレのシンクに入れたら、『花子さん』が出て来ちゃった」
「プールの水に足したら、無数の白い手が!」
水というものには、霊が宿りやすいと言われている。どうやら私の生み出した霊水は、そんな「幽霊を引き寄せるパワー」を強めてしまうらしい。
これは、まずい事態だ。
「そんなヤバいもの、人に飲ませていたのか!」
信者たちの怒りの声。私はどう対応すればいい?
「ちゃんと、『使用上の注意』を書かなかったから悪いんです」
広報担当がそんなことを言う。
そういうものなの? なんかおかしくない? 霊水って、そういう扱いの商品だっけ?
これは、私のせいなのか。私に何かの落ち度があったのか。
このピンチ。私はどう、乗り切ればいい。