あらすじ
「リリアーヌ・セリーニャ嬢。貴女との婚約は、本日をもって破棄させていただく!」
煌びやかな舞踏会の最中、王太子ユリウスが高らかにそう告げたとき、会場の空気は一瞬で凍りついた。
その視線の先には、琥珀の瞳を驚きの色に染めた、金髪の令嬢――私、リリアーヌが立っていた。
「……理由を、お伺いしてもよろしいですか、殿下?」
周囲が息を飲む中、私は静かに問い返した。取り乱すことも、涙を流すこともない。けれど、胸の奥がひどく痛む。
「君は冷酷で、他人を見下し、思いやりに欠ける。今日ここにいるみんなが、そのことを知っている」