あらすじ
中二の夏、綾原大翔は地区大会で金賞を受賞した日に声変わりが始まった。大翔はソプラノのソロを任されており、大事にしていた自身の宝物を失い絶望の淵に立たされてしまう。結局九月のブロックコンクールを欠席、そのままコンクールは終了した。
部活に参加することができず放課後うろうろしていたところで、言葉を話せない椿と出会う。椿とは筆談、やがて手話を学び会話をしていく。嫌いになった自分の声を使わなくていい交流が心地良かった。
椿と会うことは楽しい。それなのに、家に帰ると言いようのない不安に襲われ、食べ物を食べられなくなっていく。病院に連れていかれそうになるが、病気じゃないと拒否をする。
ある時、椿の喉が手術で治るらしいことを聞かされる。勝手に仲間だと思って勝手に裏切られたと感じ、大翔はその場から逃げ出した。それから一週間、椿の元に行くことはなく──。