あらすじ
高校二年生の和山悠陽は、先天性の疾患により近いうちに視力を失う運命を背負っている。覚悟を決めつつも、失われる前に大切な景色を心に刻もうと、スケッチブックに日常や美しい瞬間を記録している。そんな彼の日常は、隣の席に座る明るく人気者のクラスメイト、御影怜那との出会いで一変する。
怜那は、代々続く「月の神の呪い」により、夜になると透明になってしまうという秘密を抱えていた。彼女の呪いを解く鍵は「大切なもの」を見つけること。互いの数奇な運命を知った二人は、共にそれぞれの「大切なもの」を探す旅を始める。横浜の水族館や三崎の絶景を巡りながら、悠陽は怜那の笑顔や輝く瞳に心を奪われ、彼女こそが自分の最後に見たい景色だと気づく。
しかし、悠陽の視力は予想以上に早く悪化し、ついに真っ暗な世界に閉ざされる。絶望の中、怜那は自分の唯一の願いを神に捧げ、悠陽の目を治す。彼女の犠牲により、悠陽は視力を取り戻すが、怜那の姿は消えてしまう。だが、奇跡的に怜那の呪いも解け、彼女は透明ではなくなっていた。二人は互いの気持ちを確かめ合い、新たな希望と共に未来を描き始める。
『大切なものは、目に見えない』という言葉を胸に、悠陽と怜那は互いを支えながら、心で見つけた「透明な答え」を守り続ける。夕日に染まる空の下、二人の物語は新たな一歩を踏み出す。