あらすじ
高校生の夏、重い吃音から逃れるように訪れた離島・汐凪島で、相葉海斗は従妹の凪、転校生のユイと出会う。しかし、美しい島の夏は、古くから伝わる因習と閉鎖的な狂気に蝕まれていた。海斗は、凪を守るという歪んだ決意から、取り返しのつかない罪を犯し、二人は秘密を共有する「共犯者」となる。
それから五年。海斗と凪は、島で息苦しい共生を続けていた。表面上は平穏に見える日々。しかし、互いを監視し、依存し合う歪んだ関係性は、見えない檻のように二人を縛り付けていた。そんな中、島にリゾート開発計画が持ち上がり、本土から執拗なフリージャーナリスト・佐伯が現れる。佐伯は、五年前の「事故死」として処理された島の長老・シズの死に不審を抱き、真相を追っていた。
佐伯の調査は、海斗と凪が必死で守ってきた秘密の壁を少しずつ崩していく。さらに、あの夏、全てを目撃して島を去ったユイが、記者となり、過去と向き合うために再び島を訪れる。ユイの出現は、海斗と凪の共犯関係を根底から揺さぶる。
封印していたはずのフィルムカメラの存在。蘇る罪悪感と、僅かな解放への期待。凪の深まる執着と、静かな狂気。そして、佐伯によって徐々に明らかにされる、五年前の断崖での衝撃的な真実。
過去の呪縛から逃れることはできるのか。共犯者の檻から抜け出す道はあるのか。それぞれの選択が交錯し、物語は再びあの夏の断崖へと収束していく。これは、罪と罰、愛と依存、そして記憶の重さを描く、痛切な青春サスペンスの第二章である。