あらすじ
黒狼群の少佐ギリアンが見つけたのは、
夜の社交場〈黒百合の館〉で働く、男児のような一人の少女。
番狼と雛鳥――二人の出会いが、都市の運命を動かし始める。
* * *
国家安全保障局・特別作戦部門、通称“黒狼群(オブシディアン・ウルヴス)”。
その一角を担うギリアン・フォークナーは、私兵として育てうる「資質ある者」を探していた。
監視システムに統制された未来都市〈セントリックス・シティ〉の影の中で、 戦災孤児の少女セシリアは、息を潜めて働いている。
ギリアンの視線が彼女をとらえた時、均衡は崩れ始める。
黒百合の館の接待係ジェマ、ギリアンが信頼を寄せる若い部下ティモシー。
彼らの協力を得ながら、ギリアンはセシリアを黒百合の館から連れ出そうと画策する。
時を同じくして、彼の旧友であり、今や黒狼群の作戦科長となったマルコム・クレイヴン中佐と、
二人の恩師である故・エドワードの妻イレーヌとの関係も、徐々に動き始めていた。
ギリアンの周縁は、避けられない結末へ向かってもつれ始める。
謀略が渦巻く都市で、
死に場所を求めることすら諦めようとしていた少女は、
やがて自ら選び、闘い、飛び立つ日を目指す。
これは、Nestling's Report――
巣から落ちた雛鳥の成長記録。