あらすじ
狐の作家が綴る“詩”を龍の歌人が“唄い”、鬼の“雷鳴”三味線がビートを刻む。
蜘蛛の鼓手が“銃声”でリズムを打ち鳴らし、千手の演出家の“武台”が照らされた——。
今ここに、僕たちの大一番が開演する。
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——僕はとても良からぬことを企んでいる、と言ったら少しウケた。嬉しかった。
大萌芽から三百年余り。緑に呑まれた終末の大地を、一人の妖狐の青年が書を記しながら旅をしていた。
名は蕾花。僕のことだ。
——最初の読者は、龍の女だった。彼女はお笑いを知らないらしい。僕は言った。
「君がウケるまで一発ギャグをする。これがお笑いの源泉だ」
『ドウモワタシミッコウシャデス』
だめだった。
『世界はまだ、終わってなぁああああああい!』
勢いでは押せないらしい。呆れている。
『僕は君だろうか? 君は僕だろう?』
はぁ? という顔をされた。龍に冗談は通じないのかと恐れ慄き、僕はボソッと、
『僕はとても良からぬことを企んでいる』と言ったら少しウケた。嬉しかった。
さて。
言葉を記すことで現実を変える霊術――“綴言霊(つづりことだま)”を持っていることが、ちょっとした自慢。お笑いと肉が好き。
そんな僕は幼少期から文を綴ること、物語を考えることが好きだった。
半年前に化獣(ばけもの)の襲撃で壊滅したキャラバンから脱し、旅作家を名乗って各地を巡っていた。
やがて僕は運命の出会いをする。
遺された霊具・文車ノ巻物に世界の断片を、己の物語を綴りながら、僕は封印から目覚めた龍人・潤花の記憶に触れてゆく——。
「ページってコンビ知ってる? 又島と綾野って人のラジオ芸人コンビなんだけど」
「知らないです」
「めっちゃ面白いよ」
「私にお笑いという情緒を求めないでください」
※
ジャンルカテゴリの分類が非常に難しいので現状SFとしています。ご了承ください。
本作品は和風大陸が存在する異世界を舞台にしたフィクションです。現実と空想の区別がつかない方には本作の読書をご遠慮願います(お互いのトラブル回避のため)。
ページの元ネタは吉本興業のお笑い芸人さんである「ピース(又吉さん・綾部さん)」です。