あらすじ
「束柱さんのこと、好きです。特別に好き、大好き。……私と付き合ってくれませんか?」
頬を赤らめつつも恥ずかしさを隠すように下唇を噛みしめ、潤んだ瞳をして、上目遣いで俺を見つめる彼女はアルバイト先のスーパーのレジ部門で働く、玉紀莉緒。
高校三年生の彼女は、ミディアムロングのサラリとした茶色がかった黒髪で、二重の切れ長の瞳に、通った鼻筋、そして小さく丸い唇が印象的な清楚系の美少女。
休憩時間はもちろんだが、一緒に帰ったり、LINEも頻繁にやり取りをするくらい、たくさん語らい、一緒に笑ってきた。
その積み重ねが、今の告白に繋がるとするならば、答えは一つだった。
俺ははっきりと彼女に言った。
「ごめん。俺には無理だ」
彼女の告白を断ったことは、賢明な判断であったと思う。
なのに、俺は情け無くも後悔している。
後悔しても、もう彼女は俺に振り向いてくれないことくらいわかっているのに。