あらすじ

春の訪れとともに、吉野の山に“奇妙な眠り”の噂が広がっていた。

夜桜を見に訪れた人々が、翌朝目を覚まさない——。
発見された彼らはまるで深い夢に囚われたように静かに眠り続け、
七日後、目覚めた者たちは決まってこう言うのだ。

「……なにも、覚えていません」と。

冥府庁・調査課の神崎イサナと黒野アイリは、この不可解な現象を調査するため、
奈良・吉野の山奥へと向かう。

そこで彼らが辿り着いたのは、地図にも記されていない場所——
誰にも気づかれず、誰かを待ち続ける一本の桜の木だった。

春の風、桜の香り、胸の奥を締めつけるような懐かしさ。
そして、神崎の中にある“消えかけた記憶”が、静かに目を覚まし始める。

これは、春に取り残された小さな約束と、ひとつの優しい別れの物語。

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アルファポリス
アルファポリス2025/04/18
  • 現在の作品吉野の山の桜閑話 -冥府庁異聞-