あらすじ
東和銀行南支店に勤務する野村は45歳、銀行員として23年のキャリアを持つ平凡な中堅社員。「支店長が変わるらしい」という噂から物語は始まる。野村は8人の支店長交代を経験してきた中で、いつも繰り返される世代間の対立を見てきた。
ベテラン社員たちは「近頃の若い者は…」と若手を批判し、若手社員たちは変化を恐れる古参社員たちに不満を抱く。そんな中、新しく着任した森本支店長は野村に課長への昇進を打診する。
組織内の人間関係に翻弄されながらも、野村は一貫して自分の信念を持ち、若手にも理解を示す姿勢を貫いてきた。その姿勢は新入社員や同僚、そして支店長からも静かに評価されていた。
野村は昇進の打診を一度は断るが、佐藤課長との対話や行きつけの居酒屋の店主・山田との会話を通じて、自らの役割を再認識していく。
最終的に野村は課長就任を決意し、新入社員たちに「若者に理解を示しつつも、自分の信念をしっかり持ち続ける人間が本当に信頼される」という自らの哲学を語る。
世代間の断絶と理解という、人類が群れを作った太古の時代から続く永遠の課題に向き合う、一人の平凡なベテラン社員の内面を描いた物語。