あらすじ
「思考はあるのに、言葉にできない。
そんなとき、私は自分の能力が落ちたのではないかと疑った。」
他人と話すと、思考が浅くなるように感じる。
そうではない。
本当は、思考はずっとそこにある。
問題は、それを言語に変換する“過程”にある。
思考の密度が高すぎて、言語という細い出力装置に通そうとするたび、
自分でも何を詰まらせているのかわからなくなる。
この本は、そうした「抽象と思考の詰まり」を抱えた人たちへ向けて書かれている。
言葉にできないものを“考えていない”とされ、
会話のテンポに置いていかれ、
自分の能力を疑ってしまうすべての者たちへ。
あなたの思考は止まってなどいない。
むしろ、言葉が追いつかないほど密度のある場所にいるだけだ。
本書は、「なぜわかっているのに言えないのか」という問いに、
思考構造・社会適応・言語の限界という観点から切り込む、
思考者たちの静かな救済の書である。