あらすじ
わたし、灰田遼は私立探偵だ。わたしにはいくつか決めているルールがある。客には愛想よく振る舞う。警察の領分は侵さない。必要もないのに銃は使わない。それから、殺しは絶対に請け負わない……すべてこれ、トラブル避けだ。飯の種にならないトラブルなんかに用はないし、そんなのにかかずりあっていたら命がいくつあっても足りやしない。
しかし、それでも後から後からトラブルはわいてくる。わかってる、わかってる。ろくでもない仕事ばかり引き受けてしまうからだ。客は選んでいるつもりだが、どいつもこいつも腹に一物ある奴らばかり。零細のフリーランサーだと思って、こちらの足下を見ているわけだ。まあいい、きっちり落とし前はつけさせてもらうさ……。
ハードボイルド×至近未来×限界暴力……治安悪化と警察力の弱体化に伴い、警備会社や探偵の職分がなし崩しに拡大されつつある近未来日本──暴力の風が吹く街角を、私立探偵・灰田遼は今日も往く。真実探求? それは二の次。揉め事を片づけるのが彼のビジネスだ。おっと、気をつけな。この探偵、いざとなったら減らず口より先に手が出るぜ。