あらすじ
友達はいない。家族とも住んでいない。
そんな一人ぼっちの二人が月の光が降りそそぐ夜に出会う。
広い家に一人で住んでいる女性、皆川藍子(みなかわあいこ)は月の出る夜にお月見をしながら、団子を食べるのが好きだった。
団子をお供にお月見をしていたとある日のこと、藍子の前に一人の少女が現れた。
鍔の長い帽子を被った少女は遠くから藍子のことを見つめていたが、なぜ見ていたのかなどは一切口にしなかった。唯一彼女が口にしたのは藍子が差し出した団子。山のように三角形に積まれた団子を彼女はまるで吸い込むみたいに食べていった。
そんな少女のことを見て気を許した藍子は彼女と「お月見友達」になることを決めた。
月の出る夜に出会った二人の物語。
【注意】以下は第32回電撃小説大賞用のあらすじです。
皆川藍子は月の出る夜にお月見をしながら団子を食べるのが好きだった。
この日はたまたま気が向いて、久しぶりにお月見をしに縁側へ出ていた。
すると遠くの草むらから気配を感じ、呼びかけると鍔の長い帽子を被った少女が現れた。
少女は見ていた理由などは話さず、ただ藍子が差し出した団子を食べ続けていた。
最初は警戒していた藍子だったが、少女のそんな様子を見ているうちに気を許し友達になることを決めた。
少女と月見をする日々を過ごしているある日のこと。
少女が来た少し後に大雨が降り始めた。雷も落ち出す様子に藍子は泊まっていくよう提案する。
最初は断っていた少女だったが、藍子の強い押しに負けて泊まっていくことを決める。
時間を持て余した二人は両親の話を始めた。
少女は自身の両親は「ご飯を炊いたら、窯一つ全て平らげるような大食い」だと話して笑う。
それとは対照的に藍子の表情は暗かった。
藍子の両親は鬼に殺されていた。
登山が趣味の父親が結婚記念日に母親を連れて山に登ったのだが、その途中に鬼に襲われて帰らぬ人となってしまった。
それからというものの藍子は鬼に対して憎しみとも呼んでいいほどの感情を抱いている。
暗い話になってしまったからか少女は俯いたまま黙り込んでしまった。
そんな夜が明けて翌日、少女を送っていくと言って二人で少女の家へと向かった。
その道の途中だった。
昨日の大雨で倒れかかっていた木が、藍子を直撃しそうになる。
間一髪で少女が助けるが、その衝撃でずっと被っていた帽子が取れてしまう。
その額には鬼のツノがあった。
取り乱した少女はそのまま走り去ってしまい、藍子もその事実に驚いて動くことができなかった。
藍子は憎むべき相手であるはずの鬼の少女に対して憎みきれないことを悩み、話をぼかして叔母に相談した。そして、もう一度少女に会うことを決意した。
その頃、少女の住む森では見知らぬ鬼が来ていた。そんなところに藍子がやってきたので、襲われそうになったところを少女が救う。
そうして藍子と少女の二人は再開する。