あらすじ

「エレノア! お前との婚約を破棄させてもらう!」  お屋敷を訪れて開口一番、私は婚約者であるシドラ様にそんなことを告げられた。 (ああ、やっぱりこうなったのね……)  特に驚きはしなかった。ショックを受けていないと言えば嘘になるけど、なんとなくこうなる予感があったからだ。  なにせシドラ様は私の家の領地まで「グリュイエールのバカ息子」という、不名誉極まりない渾名が届くほどにアレな人である。  侯爵家の仕事をほっぽり出して遊び惚けているとか、女遊びがひどいとか、そんな噂もよく耳にしている。  私のような貧乏子爵の家に生まれた女をわざわざ婚約者に指名したのも、シドラ様が参加した夜会でたまたま目についた私の容姿が、彼の好みだったからなどとまことしやかに囁かれていることも知っていた。  つまり私がシドラ様の婚約者になれたのはあの方の好色によるものであり、数多くの女性と色恋沙汰を繰り返していると言われるシドラ様なら、更に自分好みの女性を見初めていたとしてもおかしくはないということである。  だから別の女性と一緒になるために、彼が婚約破棄を告げてきてもおかしくはないのだろう。  そう思い受け入れようとしていたのだけど……あれ、なんか様子がおかしくないです?

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カクヨム
カクヨム2025/04/12
  • 現在の作品婚約破棄を告げられて落ち込んでいたら、元婚約者である侯爵家のバカ息子の様子がなんかおかしくなったんですが