あらすじ
◯あらすじ
事故で恋人・一樹を失い、心に深い痛みを抱え続けていた佐伯遥。
三回忌を迎えた頃、「忘却療法」という記憶から感情だけを和らげる新たな治療法の存在を知る。
彼を忘れたくはない。でも、もう苦しみたくもない。
そんな矛盾の中で揺れる遥は、治療を受けることを決断する。
治療によって少しずつ「痛み」が遠のいても、一樹との思い出は心に残り続けていた。
春、遥は彼と一度も行けなかった港町を一人で訪れ、新たな一歩を踏み出す。
「忘れること」は終わりではなく、「前を向く」ための始まりだった──。
◯登場人物
佐伯 遥(さえき はるか)
主人公。26歳の女性。大学時代に出会った恋人・一樹を事故で亡くして以降、深い悲しみの中で生きている。
物語を通して「忘却療法」によって悲しみと向き合い、再生していく。
瀬戸 一樹(せと かずき)
遥の恋人だった男性。大学時代は創作サークルに所属し、詩や短編小説を書くことが好きだった。
バイク事故で若くして亡くなる。遥の記憶の中で生き続ける存在。
医師(いし)
「忘却療法」を担当する専門医。遥に治療内容やその意味を丁寧に説明し、彼女の選択を尊重する。名前は出てこない。