あらすじ
平凡なサラリーマンの新城直人は勇者召喚に巻き込まれ、異世界に飛ばされてしまう。
勇者じゃない直人は僅かな金を渡され、城から追い出されてしまう。城を追い出された直人は、とりあえず街の外れにある荒れ地で野宿をすることにした。
夜は冷え込み、モンスターの咆哮が遠くから聞こえてくる中、唯一の希望は、異世界転移時に得たスキル【畑作り】だった。
「スキル名はしょぼいけど……使えるのか?」
そう呟きながら地面を触った直人の手から、柔らかな光が広がった。見る見るうちに石だらけだった地面がふかふかの黒土へと変わり、小さな芽が次々に顔を出す。
「……すごい、まさに神スキルじゃん!」
彼の【畑作り】スキルは、土地を一瞬で豊かな農地に変え、作物を高速で育てる力を持っていた。
さらに、育てた作物はどれも栄養価が高く、食べるだけで怪我や病気も癒すというチートっぷり。
直人はこのスキルを活かして、街外れに自分だけの小さな農園を作ることに決める。最初は胡散臭がられていたが、彼の作る野菜の美味しさと回復効果が噂になり、徐々に人々が集まり始めた。
「冒険者も、商人も、貴族まで……俺の野菜目当てにくるのかよ……」
のんびりスローライフを望んでいた直人だが、どうやら彼の静かな農業生活は、想像以上に賑やかなものになりそうだった。