あらすじ
閑静な商店街の一角で古道具店を営む森田茂(65歳)の前に、ある朝、信じられない出来事が起きた——店の看板猫トラが突然、人間の言葉を話し始めたのだ。
「君にだけ聞こえるんだよ」
物忘れが増え始めた茂は、これが認知症の症状かと不安になる。しかし、トラは古道具に宿る持ち主の記憶や思いを読み取り、人と古道具を「正しくマッチング」する不思議な能力を持っていた。
軽度認知障害と診断された茂が亡き妻の形見の和箪笥から見つけた一通の手紙。そして、トラの正体に秘められた真実とは——?
図書館司書の幸代、東京で働く息子の正樹、様々な事情を抱えて店を訪れる人々。古道具が繋ぐ人々の絆と記憶の物語が、あなたの心を優しく包み込む。
老いても輝く命の尊さ、失われるものと受け継がれるもの。日常に忍び込む小さなファンタジーが、あなたの心に残る感動を届けます。