あらすじ
主人公であり、桜田 ゆのんの義兄である安田 健はシスコンである。
彼は人生のほとんどを妹に尽くしてきた。
母親からのDVから耐え、父親の失踪にもめげず、妹に義兄ということを隠して来た。
学校でも、妹の悪口を聞けば抵抗し、クラスでいくら浮こうが、虐めを受けようが、気にしてこなかった。
しかし、妹の成長。兄離れが近づくにつれ、彼は残酷な事実に気付いてしまった。
『自分がいなかったら、妹は普通に生きられたはず』
そんな事実から、彼は思わぬ精神崩壊を引き出した。
妹の道化、兄弟愛の真実、妹の優秀性。
それは、全て自分のせいだった。
妹が、本当の自分を見せないのは……
妹が、こんなにも強く見えたのは……
妹にイチャイチャすることで、兄の精神を取り持とうとしてきたのは……
彼は気付いていた。
妹が、自分の、家族の秘密に、とっくの昔に気付いていることを。
それを看過し、認めずに、それどころかその感情を利用していたことを。
そのことに、今一度向き合ったとき、彼は今までの傷が開き、ある邪念が浮かぶようになる。
しかし、彼はそれでも耐えた。
妹と、イチャイチャするだけで。
それが、自分の生きる意味だと思っていたから。
だから、彼は妹を笑顔で送り出すことにした。
兄離れが、完璧に行われたとき。
妹が、一人の大人として成熟するまで。
彼は、妹に恩返しをし、贖罪を果たすまで生き続ける。
贖罪を果たしたその時、初めて邪念は、正当な理由を得て、楽に締めることができるはずだ。
そんなことを思ったある一人の妹思いの兄が、道化を演じ続ける物語。
表面が甘いビターチョコレート。
カカオ80%の苦みを持つ、兄弟愛と思春期をテーマにした恋愛ストーリーです。
※心理描写と、視点を使った叙述トリックを多用している、たまに作者自身も混乱しそうになる我ながら難しい小説です。加えて、プロットもままならないので、この先どのような作品になるかも、あらすじなんか立派なことを言っておいて、本当にあらすじ通りになるか分からない不確定要素がアツいです(?)