あらすじ
「奥田くん、確かに僕は助手は要らない派でしたが、たった今、きみのことはほしくなりました」
「………………は?」
奥田正斗は詐欺師まがいの父親に英才教育を受けた過去を持つ高校三年生。
怪しい商売で恨みを買った果てに何者かに刺殺された父を反面教師に、無鉄砲な兄を監視しつつ、世間の冷たい目にも負けず静かに暮らしていた。
ところがある日、高校へ講演にやってきた名探偵・大鶴京紫郎に、その能力を見込まれて自分の助手になってほしいとスカウトされる。
後ろ暗いバックボーンを持つ正斗は探偵になんて関わりたくないのに、探偵のいるところ事件ありとばかりに、ちょっとした事件が続発。なし崩し的に大鶴との縁が続いていく。
しかし交流が深まるにつれ、大鶴が助手としてだけでなく、恋人としても正斗を望んでいると発覚し……。
事実上の初恋にバグった名探偵は、あらゆる意味でパートナーに飢えている。
訳アリ家族に悩まされる助手候補は、小さな町で生い立ちのしがらみに囚われ続けている。
事件を通じて数々の障害を乗り越え、ふたりが探偵と助手、かつ恋人になるまでの物語。
※未公開部分含めて本編完結、後日談更新は不定期です。
◆(コンテスト用)ネタバレ込みのあらすじです◆
奥田正斗は詐欺師まがいの父親に英才教育を施された高校三年生。
そんな父親も三年前に刺し殺され、犯人は今なお捕まらないままだ。
正斗は他人の恨みを買って殺されるような父を持った子どもとして腫れ物扱いされながらも、まっとうに田舎町で暮らしている。
高校卒業後は適当に就職するつもりだったが、ある日高校へ講演に来た著名な探偵・大鶴京紫郎にいきなり「僕の助手になってほしい」と求められる。
正斗が友人の小堀に頼まれて将棋部部室のモニターの異音の正体を突き止めたり、同級生の糸瀬のパパ活疑惑を晴らした場面を、大鶴に見られていたのだ。
その上、大鶴が企画した全校かくれんぼ大会の真の狙いを見抜いてみせたことがダメ押しになってしまった。
実は、三年前の探偵助手を狙った連続殺傷事件のせいで、探偵業界は未曾有の助手不足。事件が原因で血が苦手になった大鶴はそんな業界を救うため、若者に探偵助手という職を宣伝するために講演会の仕事を引き受けたのだ。
それでも大鶴本人は助手の必要性を感じていなかったのだが、予想外の機転と行動を連発する正斗にすっかり魅了されてしまい、どうしても助手になってほしいと言って聞かない。
後ろ暗いバックボーンを持つ正斗はもちろん断ったが、大鶴は諦めずに引っ越しまでしてスカウトを継続する。
そんな折り、教師の寺崎がフェイク動画の被害に遭ったことで大鶴と正斗は協力することになる。ネット上では追跡できないと知るや、犯人である同級生・長沼のスマホを校内でスってきた正斗を大鶴はさらに気に入る。しかし、長沼のスマホにあった正斗の異母兄・本橋玲於奈の痕跡を、正斗はとっさに隠蔽する。
玲於奈は父を敬愛しており、父の真似事をし、父を殺した殺人犯を独自に追っている。彼を諫める正斗とは犬猿の仲。長沼を支援した件で玲於奈と殴り合いになった正斗を短絡的だと見損ないかけるが、寺崎の情報提供で考え直し、改めて正斗に好意を持つ。
お見舞いに来た大鶴に直球で好意をぶつけられた正斗はどういう意味かと困惑する。
その後も心霊スポットに通っていた小学生が虐待を受けていることを突き止めたり、事件を通じてふたりの交流は続く。大鶴は自分の正斗への好意が恋愛感情も含むことを自覚。根負けした正斗は助手/恋人になることを一度真剣に検討する羽目になる。
大鶴の変化をからかいに来た探偵・芦原の介入で自分が嫉妬していることに気づいた正斗は、水族館でのデートを経て大鶴の助手かつ恋人になることを承諾する。
その後、玲於奈が父を殺した犯人を捜査中に誘拐される事件が発生するも、ふたりが真相を突き止めたことで、玲於奈の態度が軟化。正斗と和解する。
そして大鶴は、三年前正斗の父を殺した犯人をも見つけ出す。ついに正斗は長年の家族の呪縛から解き放たれ、探偵助手の勉強を始めた。大鶴の公私両方のパートナーとして明るい未来へ向かうのだった。