あらすじ
魔力至上主義の国、アルヴィオン王国。魔法の才能がすべてを決めるこの世界で、リオ・フェルトは「落ちこぼれ魔導師」と揶揄されながら生きていた。かつて魔法学院に入学するも、詠唱や術式をどうしても使いこなせず、中途退学を余儀なくされたリオ。冒険者ギルドへ登録するも評価は散々で、魔力が低いと決めつけられた彼は、どのパーティーからも足手まとい扱い。荷物持ちとしてかろうじて居場所を確保する毎日だった。
そんなリオの運命は、古代遺跡への探索中に一変する。仲間だと思っていたパーティーリーダー・ガルヴァンに「役立たず」と罵られ、遺跡の深部にある谷底へ突き落とされたのだ。絶望の中で意識を失ったリオが、気づいたときには封印された邪龍ヴァルシアの前に倒れ込んでいた。ヴァルシアは強大な力を恐れられ、古代文明の時代から地下深くに囚われていた存在。リオはその邪龍との「取引」により、一命を取り留める代わりに彼女の封印を解くことを約束してしまう。
邪龍はリオに伝える、リオには詠唱や術式に頼らず、想像した現象を“具現化”する特殊な才能が眠っていることを。学院では常識はずれの魔力制御として見なされ、落ちこぼれ扱いされてきたこの力こそが、今後のリオの武器になりうるのだとヴァルシアは見抜く。自分を救ってくれた邪龍に恩を返すため、リオは彼女と共に旅に出る決心を固める。
世界から「無能」と見下され、邪龍という恐れられた存在に手を貸すことを決めた落ちこぼれ魔導師・リオ。その決断は、彼自身の運命をどこへ導くのか。波乱の冒険が今、幕を開ける。