あらすじ

昔、この社(やしろ)を訪ねし者あり。 名を記せば祟(たた)りありとて、記録に残らず。 されど彼は、神の声を聞き、異界に渡る術(すべ)を得たり。 藁にて形代(かたしろ)を拵(こしら)え、 その身を象(かたど)る髪と共に神前に捧げる。 お札ひとつ、選び取り、願いを呟くこと三度。 されば境界は開き、神は其(そ)の願いを聴き届けん。 ただし、願いし者、何か一つを失うべし。 それが魂か、記憶か、命かは、神のみぞ知る。 まれに、祈りのあとに笑う死者あり。 縊(くび)れし者なれど、その顔に苦しみなし。 ——彼の者ら、神に愛されし証か。 それとも、神に喰われし者か。

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小説を読もう2025/06/10
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