あらすじ
かつて名門伯爵家の令嬢だったリリアナ。
だが、政略に巻き込まれた末に婚約を破棄され、冤罪で爵位を剥奪された彼女は、すべてを失った。
――唯一愛した男、セオドアに見捨てられて。
死を覚悟した彼女を拾ったのは、高級娼館《ル・デザイール》。
リリアナは黒百合と名を変え、男を快楽で支配する技巧を身につけた。
その日まで――かつての婚約者を、自らの手で堕とす日まで。
彼は気づかぬまま、黒百合に心も身体も溺れてゆく。
だが、交わるたびに募っていくのは、決して消えない想いと後悔。
「中に出してもいいか?」
「その前に、私の名前を呼んでみて」
愛していた。憎んでいた。
それでも最後の夜、彼女は仮面を外し、彼の胸で泣いた――赦しと別れが絡みつく、濃密で美しく切ない愛の物語。