あらすじ
ものづくりと機械いじりに没頭するあまり、元の世界ではどこか浮いた存在だった高校2年生、蓮見識(はすみしき)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へと転移する。そこで出会ったダークエルフの少女リリアと共に、風車の修復や水問題の解決など、彼独特の「ものづくり」で村を豊かにしていく。しかし、彼の心には、決して繰り返してはならない未来の記憶が秘められていた。
村に襲来したゴブリン族を撃退した際に人間領へと散り散りになって逃げ込んだ『はぐれゴブリン』を追ってきた冒険者たちによって、愛するリリアと村が無残にも奪われる未来。彼らが目をつけたのは、ダークエルフが長命ゆえに凝縮し続ける「異常なほど高品質な魔力結晶」だった。
識は、自らの次元魔法が「世界の構成を担う力そのもの」であることを利用し、その悲劇を回避し、愛する者を救うため、もう一人の識へと働きかける。
識は次元魔法を駆使し、未来の知識を武器に、時に強引に、時に優しく世界を変えていく。だが、その道は平穏ではない。かつて識を絶望に突き落としたその因果そのもの、そして人間族との複雑な関係が立ちはだかる。
これは、全てを失う絶望を一度経験した男が、その知識と次元魔法を駆使し、愛する者を守り、運命に抗う復讐、そして救済の物語。