あらすじ
中学まで友達のいなかった玄間邦康は、高校入学を機に心機一転して脱陰キャを目指すことにした。玄間の思い描く平穏な高校生活を送るために、暗い性格の自分を変えることにした。
しかしそんな目標は早くも崩れ去ろうとしていた。原因は隣の席の斎無紗奈絵という少女だった。整った容姿に学業も優秀で新学期初日から注目されている斎無だったが、幸運にも玄間は彼女の隣席になった。
可愛くて社交的な斎無を見て自分とは住む世界が違うと感じる玄間であったが、放課後に斎無に声をかけられる。
斎無は玄間に告げる。「あなたが犯人ね」と。斎無は自身のことを名探偵と自称し、玄間を犯人だと決めつける、少し変わった少女だった。
探偵と犯人。ミステリー未満、ラブコメ未満の学園青春物語が幕を開ける。
●椅子すり替え事件
新学期初日、斎無の椅子が何者かにすり替えられたらしい。しかもその犯人が玄間だと言い切るのだ。玄間は自分には身に覚えのないことだった。
二人はお互いに証拠・アリバイ・動機を確認していく。議論は白熱し、斎無との勝負の末、玄間は自身の潔白を証明した。玄間は議論で打ち勝った気持ちの良さで、斎無をからかってしまう。名探偵を自称する割には実際は迷探偵だったねと。
しかしそのせいで、斎無に目をつけられてしまうのだった。
●タバコの吸い殻発見事件
学年集会で教師が「この中にタバコを吸ってるやつがいる」と怒る。この発言に興味を持った斎無は玄間を連れて、タバコの謎を追うことにした。
何がきっかけでタバコのことが教師に知れ渡ったのか。教師が一年生の中にタバコを吸った犯人がいると断定したのは何故か。タバコを吸ったのは誰なのか。二人は捜査を進めていき、この謎を解明する。
●屋上開放事件
斎無に巻き込まれて、学校に起こる不思議な事件を解決していくことになった玄間は、次第に斎無に興味を抱くことになる。
彼女もまた、玄間と親しくなろうときっかけを探っていた。人付き合いが苦手な玄間にはどうすればいいのかわからない。そんな玄間に対して斎無は自分の趣味やプライベートの話などをしてくれた。好きなミステリー小説は「御手洗潔の挨拶」だと言って、玄間にその本を薦めたりもした。
玄間は斎無が「御手洗潔の挨拶」を薦めてくれたことに、どこか意味を感じていた。斎無からのメッセージではないかと考えて、どんな意図があるのか、自分に歩み寄ってくれる斎無の内面をもっと知りたいと悩んでいると事件が起きた。斎無の机に謎の鍵が放り込まれてたのだ。二人は鍵の正体を突き詰めて、それが学校の屋上の鍵だと知る。
屋上に侵入した二人は、そこからの景色に目を奪われる。そして互いの胸中を明かす。その結果、二人はわずかばかりの友情を確かめ合うのだった。
●結末
ミステリー小説が好きな斎無と玄間。二人は平凡な日常に飽きていた。二人はフィクションのような非日常を心のどこかで求めていたのだ。
斎無は退屈な日々から抜け出したいために、日常の謎を大袈裟に事件のように扱い、自分を名探偵だと名乗る。
玄間が目標に掲げる平穏な高校生活など実在せず、本当は創作のような学園生活を送りたいと思っていた。
二人は性格が真逆なようで本質がよく似ていた。そんな二人の不思議な関係が続いていく。