あらすじ
かつて「人間」と呼ばれた存在が、記録装置となった未来。
戦争はアルゴリズムに管理され、兵士は命令と記憶の改ざんを繰り返しながら戦場を彷徨う。
識別コードK-0923――ただ“K”と呼ばれる傭兵は、言葉を持たぬ戦場で独り言を続けていた。
それは祈りなのか、抵抗なのか。あるいは自分が“まだ人間である”という最後の証明か。
無人の都市、沈黙するAI、改ざんされた記憶、そして脳内に囁く「もうひとりの自分」の声。
Kはやがて気づく。彼の“独白”が、世界そのものを揺るがす鍵であることを。
記録される言葉に、自由はあるのか。
戦場の片隅で、ひとり語り続けるその声が、やがて全人類に問いかける。
これは、ひとりの兵士の「独白」がもたらした記憶と言語の黙示録である。