あらすじ
「思い出って、送れるんですか?」
春の終わり、小さな町の郵便局に転勤してきた青年・安達奏(あだち かなで)は、古ぼけた木の下に立つ“赤いポスト”を見つける。
そこは昔、町で一番人気だった「手紙だけを運ぶ不思議な郵便屋さん」が使っていたものだった。
しかし現在は使われておらず、ただの飾りと思われていた――はずだった。
ある日、奏が何気なくそのポストを開けると、そこには宛名も差出人も書かれていない「誰かのための手紙」が投函されていたのだった。
「差出人を探して、届けてみませんか?」
かつてその郵便屋と共に配達をしていたという犬・マルが現れ、奏に語りかける。
奏とマルの不思議な配達の日々が、町の人々の止まっていた時間を少しずつ動かしていく