あらすじ
とある母子家庭。母親はここ最近、どうしても拭えない、ある深刻な悩みを抱えていた。それは――
「ねえ、ユキちゃん、大丈夫? ユキちゃん!」
「う、う、うえええええん!」
娘のユキの様子が明らかにおかしいのだ。まるで糸がぷつりと切れたように突然黙り込み、次の瞬間には不安げに周囲をきょろきょろと見回し、大声で泣き出す。
ユキは高校三年生。受験を間近に控え、情緒が不安定になっているのだろう――最初はそう思っていた。しかし、学校でも突如泣き出し、挙句の果てには暴れるようになってしまった。教師たちも対応に困り、ついに休学を余儀なくされた。
母親はいくつもの病院を回ったが、どの医者も「身体的な異常は見られません」と口を揃えて言う。心療内科でも、決定的な診断は下されなかった。ユキ自身に問いかけても「大丈夫だから」と繰り返すばかりで、心の奥を見せようとはしなかった。
もはや打つ手がなく、困り果てた母親は、ある日藁にもすがる思いで知人に紹介された霊能力者に助けを求め、家へ来てもらった。