あらすじ
その祭は金目当てで殺された平家の落人の怨霊を鎮めるために始まったという。その祭で最も重要な儀礼である鎮魂の舞いを行なうために二重の密室となった拝殿に籠もっていた男が、異常な状況で殺害される。しかも、その直後と思われる頃に、その男の姿がまったく別の場所で目撃されていた。被害者は幽霊となって別れを言いに来たのだろうか? 誰もが見惚れる美貌でありながら最凶の毒舌家として学界で忌避されている男装の宗教史学者・愛染真琴は、フィールドワークで現地を訪れていて事件の目撃者となった清水信夫の話を聞くだけで、その謎が解けたというのだが……