あらすじ
「無能」と烙印を押され、王国から追放された少年レイ=グラン。
すべてを失い、絶望と孤独に打ちひしがれた彼は、死の森と恐れられる魔境へと逃げ込む。
そこは無数の獣が跋扈し、これまで誰ひとり生きて戻った者はいない、絶望の地。
飢え、寒さ、痛み、恐怖――生きることすら許されないその世界で、レイはただ一人、泣きながら、傷つきながら、それでも生き延びた。
血をすすり、獣を喰らい、力を奪い取る。孤独の中で人の言葉を忘れ、痛みを糧に、力を積み重ね、彼は十年の時を生き抜いた。かつて『ゼロ』と断じられた少年は、誰にも気づかれなかった己の力に気づき、世界の理すら超える『根源の魔力』を手に入れるまでに至る。
十年後、魔境の最奥。
人知を超えた巨獣を前に、レイは静かに立つ。
一方、レイを追放した王国は、崩壊のカウントダウンが始まっていた。
――これは、全てを奪われた少年が、世界最強の魔術師として生まれ変わり、かつて自分を切り捨てた者たちへと歩みを進める物語。
復讐の炎と、静かなる決意を胸に、レイは再び王国へと歩み出しはじめる。