あらすじ
迷い子の少女、楪(ゆずりは)は東の一族の名門、東條家の次男坊に保護される。
東條頼次(とうじょうよりつぐ)は、東国を統べる一族でありながらも、異能の力を持たないがゆえに西国へと追放された身だった。
東條家は異形の存在――月鬼(つきおに)を祓う力を持つ一族である。
ところが、頼次はその力を宿さないばかりか月鬼を引き寄せやすい体質のために、齢十九にもかかわらず妻女となる女性が傍らにはいなかった。
名前すら失った状態で頼次に拾われた楪は、同情心から東條家に置かれていたものの、しかし月鬼に対抗できる祓い師の力があることが発覚する。
それこそ、東條頼次の妻になるための唯一の資格。
やさしく穏やかな気質の頼次に惹かれていた楪は、祓い師として彼の守り手となることを決意する。
すべては、頼次の妻として彼の傍にいるために。