あらすじ
神隠し――日本の伝承や民間信仰に語られる現象。多くは人のいない山中で起こり、前触れもなく立ち入った人が消える。
それは古くは山の神、川の神による拐かし、妖怪による悪戯と考えられてきた。
石動辰巳は中学生三年生の終わり、高校へ入学する前に神隠しにあった。これは異界へと迷い込んだ少年が故郷へと戻る十二年後のお話。
古く歴史のある寺院。信仰する者の絶えた廃神社。二つを結ぶ過去の惨劇。神隠しにまつわる地域の伝承。信仰の聖地である月隠山。辰巳が消えたのには理由がある――
そして、辰巳を一途に想うカンナギ。カミの声を聞くことのできる彼女達――巫女に不思議と懐かれ、交流が増える度に辰巳の肩身はどんどん狹くなってゆく。その激重感情に果たして辰巳は向き合うことが出来るのだろうか……