あらすじ
幼き日、彼はブリキの消防車を解体した。
それは、あらゆる“記念日(アニバーサリー)”を喰らい尽くす“共食い(カニバリズム)”の始まりだったのかもしれない。
主人公・遠海 鮪。彼の日常は、分解と再構築(そして多くは破棄)の連続だ。
高価な品々、思い出の詰まった道具、それらが内包する“物語”や“価値”を、彼は冷徹なまでに解き明かし、そして消し去っていく。
「人間には、手をださないで」
それは、崩壊寸前の家族が守る、最後の約束。
だが、抑えきれない衝動がその一線を越えようとするとき、家族は、そして鮪自身は、何を選択するのか。
記憶、価値、そして人間とは何か――。
異常な家族の日常を通して、現代社会の歪みと人間の本質を鋭くえぐる、衝撃の物語。