あらすじ

主人公・銅吉は、銭霊に取りつかれた若き戯作者である。幼い頃、流行り病に苦しむ両親の快癒祈願のために、お百度参りを行ったのがそのきっかけだった。

 銭霊は、彼に危機が迫ると、銭を与える。

 折しも田沼時代の絶頂期、銅吉は売れっ子戯作者として名を馳せるが、ここ数ヶ月は思うように筆が進まない。そこへ、十両もの大金が部屋の天井から落ちてきた。

 近年にない大きな危機を悟った銅吉は、少しでも功徳があればと願い、十両をまとめてこっそりと松森寺(しょうしんじ)の裏庭に投げいれた。そこは、銅吉がお百度参りをした寺であり、両親を失ってからは大人になるまで世話になった場所でもあった。

 その日の晩、隣の部屋に住む魚の行商人・太助(たすけ)が飲みにきた。彼は、世間話のネタに、ここ数日噂になっている墓場の話を銅吉に知らせた。

 銅吉は、新たな作品の題材に、太助から教わった墓場を用いることにした。まさにそれこそが、銭霊が警告する危機の発端であった。

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アルファポリス
アルファポリス2025/05/30
  • 現在の作品裏長屋のあやかし(お江戸あやかし賞受賞作)