あらすじ

年のはじめの一月一日。 結婚の挨拶をするため、婚約者の実家に向かっていた。 地方工場の娘であると彼女は謙遜するが、漏れ聞こえる話からしてとてもそうは思えない。 かつての名家が現代での生業として工業を選び、一族経営での企業複合体となった、その本家の御令嬢……などといったところであろうか。 二人並び、長く電車に揺られながら。 とりとめのない思考の海に沈んでいた。 貴女ほど賢い人を僕は知りません。 貴女ほど善き人を僕は知りません。 貴女ほど美しい人を、僕は――。 そも、何故に僕のような冴えない者を――。 珠に瑕の変態性慾でしょうか。ならば神仏に感謝の詔を。 あるいは、そう、すべてがただの、初夢だったのでしょうか。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/05/24
  • 現在の作品月を希う