あらすじ
歌手としての夢を抱き、音楽大学を卒業した奈央。だが、メジャーデビューの切符を掴んだのは、同じ声楽科の仲間ではなく、フルート科の友人だった。才能か、それとも業界の“コネ”か。奈央の心は、割り切れない思いに揺れる。
その後、アニソンシンガーとしてデビューした奈央を待っていたのは、煌びやかなステージとは裏腹の、ビジネスにまみれた芸能界だった。「売れること」を求められる日々は、彼女の純粋な歌への情熱を蝕んでいく。
心身ともに疲弊し、「もう仕方ない」と諦めかけた時、ふと口ずさんだメロディが、奈央の心の奥底に眠っていた「ただ歌うことの喜び」を呼び覚ます。
華やかな世界から身を引き、地元の小さなライブハウスやYouTubeで、本当に歌いたい歌を紡ぎ続ける奈央。20年後の穏やかな日に、ラジオから流れる懐かしい歌が、彼女の歩んだ軌跡の全てを優しく包み込む。
心の奥に響く、普遍的な「音楽」の物語。