あらすじ
地味で目立たない私には、家の決めた婚約者がいた。
その婚約者は、私が稼いだお金を他の女性に勝手に貢ぐような最低な男だったが、家の期待に応えるために理不尽に耐えるしかなかった。
だが、ある日、婚約者が妹と浮気している現場を目撃してしまう。
問い詰めてみると、謝るどころか、「華のないお前より、妹の方が相応しい」と、婚約破棄を突きつけられる始末。しかもその浮気、父も了承済みだという。
真偽を確かめようと父を問いただすと、彼は「今さら気づいたのか」とでも言いたげな顔で、あっさりと事実を認める。加えて「家のために、婚約者を妹に譲れ」とまで言い放つ。
さらに理不尽は止まらない。
私の渾身の作品を「妹の名義で公表しろ」とまで強要されたのだ。
もう限界だと、私は家との縁を切り、無名の画師として一人で生きていくことを決める。
そんなある日、後宮に勤める青年が私の店に訪れる。
最初は心を閉ざしていた彼だったが、少しずつ打ち解けて、やがて優しく笑うようになっていく。
いつしか私は、陰ながら愛されるようになり、画師としても、女性としても幸せになっていく。
一方で、私の絵を利用して、名声を得ようとした妹は、嘘が露呈してしまう。協力した父と元婚約者は、真実が暴かれたことで、後宮を欺いた罪に問われ、破滅していくのだった。