あらすじ
「あやの彼氏ってあれなんだって! パーフェクトヒューマン、とか言うやつ」
「知ってる知ってる、日本でも始まったんだっけ、遺伝子改良!」
「えー!イケメンでバリキャリとかふざけてるー。あやの奴、今度食事でも奢らせないとな」
そんな会話が最近ではよく聞こえてくるようになった。よもや第三次世界大戦かと危ぶまれた年、日本政府は「遺伝子改良」を主とする法案を立案した。
当時、自民党ら保守派の面々が重なるスキャンダルで力を失い、米国政府からの圧力もあってか、あっさりと立法されてしまう。
その新しい人類は、容姿端麗・文武両道・免疫機能の改変により、臓器の取り換え可能であり、その呼称を——パーフェクトヒューマンとするものとした。
主人公の児玉美月は、父親と暮らす高校二年生。
そんな彼女に父親の恋人と、その息子との同居生活が告げられる。
新人類が溢れかえる世界。不信感を募らせる主人公・美月の家には、新人類たる義理の兄・真人がいた。
この兄を、美月は快く思っていない。付き合って一年の彼氏・つばさに愚痴をもらしつつも、なんとか調和を保とうとする。
だが、不審な行動を取る義兄には“人間らしさ”に溢れるつばさの脳を解析する目的があった。
真人には人間らしい感情が欠けており、つばさを見るたびに探求心の様な欲望を抱いていた。
——知りたい。何故、そんなにも不完全でいられるのか。
人間、酒井 徹。世界に人類は、今や彼一人。
こちらのスピンオフ作品となります。