あらすじ
彼女は、俺の「親友の彼女」だった。
高校2年の春、幼なじみの高坂 陸(こうさか りく)と、クラスメイトの七瀬 さやが付き合い始めた。
祝福するふりをして笑ったのは、誰より彼女を見てきたのが、俺・**村瀬 悠人(むらせ ゆうと)**だったからだ。
優しくて、おっとりしてて、ちょっとだけドジで。
あいつが彼女を好きになった理由も分かるし、彼女があいつを選んだ理由も分かる。
それでも、心だけは止められなかった。
放課後の図書室、傘を忘れた雨の日、バスの中の沈黙。
ふとした瞬間に重なる視線。何も言わなくても通じる空気。
――たぶん、彼女も気づいてる。俺の気持ちに。
でも、それは絶対に言ってはいけない感情だった。
友情と恋心の狭間で揺れる、静かで切ない三角関係。
「どうして好きになったのが、君じゃなかったんだろう」
この恋は、誰にも知られてはいけない。
そして、きっと報われることもない。
だからこそ、記憶に焼き付いて離れない。
⸻
登場人物:
• 村瀬 悠人(むらせ ゆうと)
冷静で少し影のある男子高校生。陸とは幼なじみで親友。さやに密かに想いを寄せている。
• 七瀬 さや
素直で優しい女の子。人懐っこく、天然気味。悠人とは不思議な距離感を持って接する。
• 高坂 陸(こうさか りく)
明るく真っ直ぐな性格。さやの彼氏であり、悠人の一番の友人。全てを信じて疑わない。