あらすじ
静かな狂気に、あなたは気付けますか?
ある外科医の、喪失と再生のノンフィクション。
東京の郊外にある、普通の家庭で育った僕は、少し内気で、犬が大好きな少年だった。将来の夢はプロ野球選手。本気というより、ただぼんやりと思い描いていた。
転機が訪れたのは中学を卒業するころ。病気の祖母が手術を受ける姿を見て、外科医という仕事を知り、憧れを抱き始めた。
普通の公立学校でも、真ん中より少し下くらいの成績で、決して勉強が得意でも好きでもなかった。
周囲には無謀だとからかわれたりしながら、何とか浪人の末に医大に入学した。
しかし、夢へのスタートラインに立てたと思った矢先、当たり前の日常が崩れ去る事件が起きた。
信頼していた父の裏切り。
そして母の命だけが、戻らぬものとなった。
「誰よりも上手く、人に寄り添う外科医になる。」
夢を応援してくれていた母に届ける思いで、走り続けた。
喪失を振り払うように駆け抜ける事で、得られたものと失ったもの。2度目の突然の別れ。
そして、一匹の犬と出会い——
僕が、今こうして物語を書こうと思ったのには理由があります。
一般的に弱い立場とは思われない苦悩を抱えつつ、一度はどん底まで沈みました。
それでも人とのつながり、生き物の尊さが僕を優しく、少しずつ生まれ変わらせ、今も「豊かに生きる事」を勉強中です。
そんな日々に、今を悩む人に何かを届けたい想いがつのり、一つの物語にしてみる事にしました。
人生の光と闇について、優しく生きるという選択肢について、何かを考えるささやかなきっかけになることを願います。
※noteとカクヨムで同時連載中です。