あらすじ
これは、誰も救われない物語。
二○六一年、四月。
ついに人間の失業率が七割を超えた。それでも、機械が全てを代行しているので、社会的には何の支障もない。働かなくとも、生活保護を受けて生きることが出来る。やがて人間は、ただのうのうと生きるだけの生き物と成り果てた。
科学は日々進歩を遂げ、医療もまたそれに併せて充実したものとなった。全ての病気は解析され、治療法も次々と開発されていった。結果、人間は事故・自殺・他殺を除けば、裕に百年を超えて生きることすら可能な超高齢化社会となった。それに加え、『第三次ベビーブーム』により、人間は繁殖し過ぎてしまった。
ある技術士の手によって、自動繁殖阻止機(略してジハンキ)」が作られた。別名「人間シュレッダー」と呼ばれる、自殺専用機械。
いつしか生きることに嫌気がさした人間は、ジハンキで何の躊躇いもなく死んでいくようになった。
諦めと共に逝く者、絶望の果てに逝く者、安らぎと共に逝く者、もがきながら逝く者、家族を想いながら逝く者、殺される者、踏みとどまる者、家族と共に逝く者、何の理由もなく逝く者、衝動的に逝く者、幸せと共に逝く者。
死に至る理由は、人それぞれである。
※自殺と他殺と病死のオムニバスです。