あらすじ
悪魔がナガノを支配し、五年。
県を取り囲む山々は厚さを増し、季節は秋で固定され、理性ある大人たちは廃絶された。そして国が交わした契約により、ニホンの高校生は楽園で三年間を過ごすことが定められた。
「卒業したくば思い出を差し出せ」。
悪魔の課した条件を達成するため、思い出づくりに励む生徒たち。
幕間巡もまた、そのひとりとなるはずだった。
生徒手帳に、悪魔の連絡先をみつけるまでは。
人々は友情と恋愛に胸を躍らせる。感情豊かに日々を謳歌する。
青春の裏側、人間の無垢なる残酷さ、そして理性で押し込めた悪意が、徐々に濃さを増しているとも知らずに。
ヒトにとっての青春とは?
悪魔にとっての思い出とは?
季節外れの紅葉に嘲笑われる日々、その裏側で――ひとりの生徒が答えを導き出していく。