あらすじ
「祝福されなかった令嬢」に告げられたのは、婚約破棄と断罪──そして沈黙。
けれど、彼女は怒った。静かに、確かに、香りで。
王太子との婚約を、神託により一方的に破棄された令嬢イザベラ。
貴族社会からも、信仰の庇護からも見放され、誰にも味方されなかったその日。
彼女の中に芽生えたのは、涙でも絶望でもなく──“怒り”。
だがその怒りは、誰かを呪うためのものではなかった。
香りに記録された記憶、母の遺した香草園、神の声を疑う第二王子との出会い。
真実を語れない時代に、言葉よりも雄弁な“香”で、彼女は静かに反撃を始める。
これは祝福を拒まれた少女が、
正しさを香に変え、世界を問い直した物語。
“神託に従う時代”は、終わりを迎える。
断罪の舞台は閉じられ、怒りはやがて──希望の香りへ。