あらすじ
七瀬詩緒理(ななせしおり)は、童話作家であった祖父に育てられた十五歳の少年。亡くなった祖父の遺品整理中に見つけた美しい栞が、彼の運命を大きく変える。祖父から託された鍵で開けた書斎の隠し部屋、そこにあった万年筆を手に取った瞬間、詩緒理は祖父が創造した物語の世界へと吸い込まれてしまう。
そこで出会ったのは、人間の言葉を話す白いウサギ。案内兎は、祖父の死によって物語の世界に綻びが生じ、崩壊の危機にあることを告げる。そして、それを修復できるのは、祖父から託された万年筆と、詩緒理の体内に宿った、物語の世界を行き来できる不思議な栞だけだという。
戸惑いながらも、祖父の物語を愛する心を持つ詩緒理は、ウサギの頼みを受け入れ、物語の世界を救うための冒険へと旅立つ。祖父が残した謎を解き明かしながら、様々な物語の住人たちと出会い、共に困難を乗り越えていく中で、詩緒理は自身の秘められた力と向き合い、成長していく。これは、少年が大切な人の遺した物語と、そこに生きる者たちを守るために、勇気と優しさを胸に立ち向かう、ドキドキと感動に満ちたファンタジー物語であ~る。