あらすじ
歴史・時代小説の短編集です。
3作品収録しています。
「江戸っ子半兵衛の遊び日和」
江戸時代を舞台に、商家の番頭・藤沢半兵衛の休日を描いた軽快な時代小説。独身の半兵衛は、粋を気取る江戸っ子として遊びを楽しみつつ、料亭「雪月花」の芸者・お雛に心を寄せる。雨の日に偶然お雛と出会い、彼女を助けるため武士と対峙する半兵衛の勇気と人間味が物語を牽引。友人の清吉や町の目付・長谷川平蔵の助けを借り、半兵衛はお雛の新たな門出を見守り、自身も一歩前進する。雨と共に始まる彼のささやかな恋と成長の物語は、江戸の風情と人情を生き生きと描き出す。
「守り抜いた誇り」
戦国時代の山砦を舞台に、24歳の女性武将・於雪が、五十の兵で五百の敵軍に挑む歴史戦記短編。姫武者と呼ばれる彼女は、雨と敵の油断を武器に、夜の奇襲で糧秣庫を焼き、混乱を誘う作戦を決行。冷静な判断と覚悟で村を守り抜くが、勝利の裏には犠牲と泥臭い現実が。於雪の葛藤と村人たちの笑顔が響き合う、勇気と人間ドラマの物語。
「刀より鋭き心意気」
江戸・深川の茶屋「葉の月」を舞台に、浪人の息子・市吉こと美濃原市之丞が父の仇を追う復讐劇。父を不正で死に追いやった商家の主人・新兵衛に近づくため、市吉は茶屋で働きながら信頼を獲得。帳簿整理を任され、新兵衛の不正の証拠を着実に集める。父の遺言「法で裁け」を守り、刀ではなく知恵で復讐を果たす市之丞の静かな決意と義が光る、緊迫感あふれる時代小説。