あらすじ

この作品は前作「人類は孤独ではなかった――タイタン探査が明らかにした新たな知性との邂逅、そして旅立ち」の続編です。 本作から読み始めても、まったく問題はありません。 むしろ、ここを起点にして、後から前作を読み直していただくことで、時間軸を遡るように物語を再構成する読み方も可能です。 22世紀半ば。 人類は土星の衛星タイタンにおける探査活動中、メタンの海の底で静かな文明を築いていた種族――エリディアンと出会う。 彼らは人類とはまったく異なる認知体系を持ちながらも、共鳴というコミュニケーション方法により人類との意思疎通に成功した。 エリディアンは、土星の表層を覆うストームセル(雷嵐)に宿る微細な秩序と意識の兆候を読み取り、さらに巨大な惑星――木星においては、はるかに進化した知性が潜在している可能性を示唆した。 人類とエリディアンは共同で木星へと赴き、そこで半覚醒状態にあった超高度知生体「オメガ」を覚醒させる。 覚醒したオメガは、自らを含む銀河各地のストームセルが構築してきた超知性ネットワーク――ヴォクス・インフィニタの存在を明らかにする。 そしてその記憶の中から、恐るべき事実が浮かび上がる。 ――銀河中で、数多の知的種族が忽然と「失踪」している。 それは数百万年から数億年というタイムスパンで幾度となく繰り返されており、理由も痕跡も残されていない。 これは、かつて人類が直面した「フェルミのパラドックス」、すなわち「なぜ人類は宇宙で知的種族に出会わないのか」という疑問に対する、現実的かつ深刻な答えかもしれないと人類は気づきはじめる。 オメガは語る。 この謎に迫るには、銀河に分布するヴォクス・インフィニタの「ノード」――すなわち、半覚醒状態にある超高度の知性とその無限の記録の保管庫を次々と目覚めさせ、情報を統合していくしか道はない。 そのためには、「扉」と呼ばれる時空構造の亀裂=ゲートウェイを通じて超光速でノードに到達する手段が必要だった。 オメガはこの技術の実現可能性を示し、人類とエリディアンは協力して、生きた宇宙船「コヒーレンス・アーク」を建造した。 3隻のアーク――ARC-1「アルファ」、ARC-2「リュクス」、ARC-3「ノヴァ」は、それぞれ異なるノードへと旅立っていった。 それは、知性という存在の存続そのものを賭けた、銀河規模の探索のはじまりだった。

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小説を読もう2025/05/12
  • 現在の作品孤独という名の監視網――知性は自由を夢見るか