あらすじ
「エリシア・グレンフォード! 君との婚約は、今この場で破棄する!」
王都に響き渡ったその声に、貴族たちは息を呑んだ。社交界の花と称えられ、未来の王妃候補と目されていた侯爵令嬢エリシア。だが、舞踏会の場で彼女が浴びせられたのは、信じがたい断罪だった。
「君が侍女に暴力をふるったと報告があった。品位を失った者を、王太子妃にはできない」
王太子アルヴィンが手を握るのは、見慣れぬ令嬢――辺境伯の娘であり、エリシアの侍女だったミラだった。
「……わかりました。では、私は私の道を歩みます。二度と後悔の涙を流さないよう、お気をつけくださいませ、殿下」
それが、すべての始まりだった。