あらすじ
東京の片隅に佇む古びたアパート「菊乃荘」。そこに住む主人公・片瀬達也は、出版社で働く地味なサラリーマン。ある日、上階から聞こえる不気味な物音と、奇妙な噂——「住人が忽然と消える」という話に直面する。
彼の上の部屋に住んでいたはずの「三浦」という男。しかし翌日、大家に尋ねると、その部屋は半年も空室だと言われる。混乱する達也は部屋を確認しに行くが、そこには生活の痕跡もなく、ただ中央に黒い染みと謎の手形だけが残されていた——。
静寂の中に潜む異常と、人知れず消えていく存在。達也は次第に、アパートに隠された恐ろしい真実へと巻き込まれていく。