あらすじ
都に渦巻く闇は、人か妖か、あるいはその狭間か―
平安の世。華やかな貴族文化の影で、
人知れず“怪異”が蠢いていた。
ある夜、帝の元に届けられたのは、正体不明の怪死事件の報。
五日間で三人の貴族の子が消え、屋敷には血文字と不気味な足跡だけが残されていた。
呼び出されたのは、
若き陰陽師・綾塚烈正。
かつて“鬼子”と呼ばれた異能の家系に生まれながら、その才を怖れられ、表舞台から遠ざけられていた。
帝は彼に密命を下す―
「この都に蠢く“もののけ”を討て。正体を暴き、真を記せ」。
烈正は、護衛として付き従う女性・那智と共に、都とその周辺で起きる怪異事件に挑んでいく。
“赤衣の童子”、“髪を食らう女”、“鳴かぬ鶯”、“血涙の巫女”、“鬼の花嫁”――
一見無関係に見えた怪異たちは、やがて一つの真実へと収束しはじめる。
陰陽とは何か。人と妖の境界とは何か。
帝の密命の裏に潜む“真の意図”とは――
それは、ただの怪異譚ではない。
記すべきは、平安という時代に封じられた「真実」そのもの。